膀胱と尿道が働くことで尿をうまく排泄することができます。働けと言う命令を伝える神経が病気になったり、けがをして排尿がうまくできなくなった場合を神経因性膀胱といいます。
治療は原因疾患や日常生活動作によって大きく左右され、腹圧排尿や叩打排尿、自己導尿によって排尿が自立できるものから、留置カテーテルを、人工膀胱などを余儀なくされる方まで様々ですが、患者さんの生活の質の向上を目指した治療法が一番と考えています。
膀胱が痙性あるいは弛緩性になっていても、ともに排尿困難残尿、失禁などが認められるため、患者さんの訴えだけでは一見どちらのタイプか区別が出来ないことがあります。治療の方法は、痙性と弛緩性では大きく異なりまので、まずこの区別をします。区別にはまず問診が重要で、特に尿意の有無や夜間の尿の回数が問題となります。それから膀胱内圧や膀胱容量の測定などを行います。目標はどちらのタイプでも出来るだけ正常な状態(排尿間隔は2時間以上、尿失禁がなく、残尿も100ml以下)に近づけることです。薬剤による治療だけでは不充分な場合、手や腹圧による膀胱訓練、カテーテルによる導尿、さらに神経ブロックや手術などの方法もあります。
恥ずかしいという気持ちがあったり、年齢のためで治らないと思ったりしてはいませんか?排尿障害の多くは、治療可能なものですからぜひ通院を続けるようにして下さい。
普段から排尿記録をつけるようにすること、力まずに排尿すること、水分を十分とることを心がけてください。