数か月ないし数年間にわたる持続性の機能不全によって起こる状態を慢性腎不全といいます。 慢性腎不全の症状は、徐々に起こってくるのが特徴です。水分・塩分の増加のために高血圧、心不全、肺水腫が起こり、体の酸性化による吐きけ、嘔吐、食欲不振が起こります。
慢性腎不全の病期に対して適切な治療が必要です。大別すると、食事療法と薬物療法があります。
食事療法では、低タンパク食(0.5~0.8グラム/キログラム)、低塩食(とくに高血圧を合併する場合は0~5グラム/日とします)、水分制限(浮腫や体重増加の認められないときは制限は必要としないが、腎機能が極度に低下したときは尿量+200~500ミリリットルとします)、カリウム制限(高カリウム血症の場合、カリウムを1日2グラムに制限します)を行います。
薬物療法では、降圧薬、利尿薬、リン吸着剤、高カリウム血症の補正、アミノ酸製剤、アシドーシスの是正、低カルシウム血症の補正、貧血の改善を行います。
現在の医学ではすぐに死と直結する病気ではありませんが、治ってしまう病気でもありません。長期的な薬物コントロールあるいは透析療法が必要となります。